2018年10月31日水曜日

バルナック ライカ IIIfのハーフミラー交換

バルナック ライカ のハーフミラー交換です。

さて、ハーフミラーが届いたので手術です。
精密ドライバー、竹串、接着剤、ラジオペンチ、ピンセット、半田ごてが最低装備。
できればカニ目レンチ、ライカ専用プライヤーなどあればなおよし。
普段、カメラやレンズを分解している人なら簡単。
ビス類が非常に小さいのがつらい。また、マイナスビスの溝が非常に細いので
精密ドライバーは薄いタイプでないとねじ頭を壊します。
最低限、薄い精密ドライバーを用意できてからはじめましょう。
IIIモデルなら多少の違いはあってもほぼ同じと思われます。
ビスやワッシャの 数が違うようです。

ではオペ開始です。
アクセサリーシューをはずす。 ビス4本。

巻き戻し解除レバーをはずす。中にパイプがあるのでなくさないように。 ビス1本。

シャッターボタンガードをはずす。力をこめてゆるめるだけ。

軍艦前ネジ2本、後ろネジ2本をはずす。

パトローネの爪と繋がっている
巻き戻しノブのネジ1本をはずすし、ノブを引っこ抜く。
組み戻すときは内部のパトローネと噛み合う爪を押し上げるとねじ穴があるので
そのネジ穴と接続する。爪がとがっていて痛いw

このノブ固定リングは上下があり、わずかにネジ穴が下に寄っている。間違えないように。

 視度調節レバーのカニ目ネジをはずす。

視度調節レバーもはずす。
アイピースカバーをはずす。ネジ2本。

ファインダーレンズをテープなどで表裏左右間違わないようにはずす。
うまく取れないときはあとで裏側から押せばよいので、無理してレンズに傷をつけない。

 巻き上げノブをはずすのだが、表示をISO100か80にするとネジが見える。1本。
2回転ほど緩めるだけで、抜いてはいけない。抜いてしまうと入れにくい。
緩めたら反時計方向に回すと外れる。ガリガリ感じたらネジをもう少し緩める。
ノブが取れたらシャフトは下に抜けます。(落ちた)

計数盤をはずし、

ギアもはずす。モデルによってはワッシャが付いているものもあるっぽいので、
無くさないように上下も気をつけてはずす。古いグリスが汚い。
組み戻すとき、きれいにしてちょいグリスアップ。

シャフトが外れる。細いバネがついていて、軍艦裏側の一方回転の爪とかみ合うので、
くみ上げる時にかみ合わせる。
回転物なので向きは無いが、戻すときはボディ内軍艦裏側の爪とバネを掛ける。
組み戻す前にスプール押さえの側面のバネを少し広げておくと、スプールが滑りにくくなる。
あまり広げるとスプールがきつくなり大変なのでほどほどに。

測距レンズガードを左右ともはずす。左右で厚みが違うので間違わないように保管。
私はこのガードリングが固くて強く掴みすぎてゆがめてしまった・・・ショック。
ボディ、リングともに傷をつけないよう頑張って下さい。
画角確認ファインダー右下のビスもはずす。
このビスはただの飾りで中に2重像調整用ビスの蓋である。

左はプリズムレンズ。ただはまっているだけなので、おおよそのカニ爪の向きを覚えておき、こじてはずす。2重像の上下ズレ補正用。後で簡単に調整できる。
右はただの素通しガラスでネジになっているので回してはずす。
組み戻したとき、プリズムレンズをまわすと上下像のズレを直せます。

半田ごてで外部シンクロへ繋がっている線をはずす。

SS設定ノブの3本のビスを緩めてノブをはずす。
ビスは非常に小さく短いので抜きたくは無いが緩めるだけでも良いが抜けてしまうかも。
現状のノブの向きを覚えておく。 パチッとはまっているだけなので、緩めたら抜く。

 ノブの下の円盤もビスを3本緩めてはずす。向きを覚えておく。
緩んだら簡単に抜ける。

シンクロ設定レバーはこのまま。いじらない。

この隙間に何か差し込んで少しずつ隙間を広げると軍艦カバーがはずれる。

巻き戻しノブにスプリングワッシャがあるので、忘れず保管。

ファインダーレンズブロックカバーをはずす。ネジ3本。
下にある板バネも保管。

視度補正レンズのネジ1本はずす。
調整レバーリンクとかみ合っているのではずすしながら位置関係を覚えておく。

 ファインダープリズムブロックを押さえているこのワッシャをゆっくりはずす。
プリズムブロックも一緒に持ち上げると簡単にとれる。ただはさまっているだけ。
プリズムブロックの溝にピンセットを入れても大丈夫。それは光路ではない。

 はずれたところ。

いよいよハーフミラー。この接着剤で付いているカバーを剥がしとる。

こんな感じ。強くは付いていないのですこしずつこじてはずす。

やっと見えた。ハーフミラーだ。
見えているのはノンコート面。測距レンズ方向(向こう側)にミラーコーティングがされているので、
再利用する人はコーティング面は触らないようにする。すぐにミラーコーティングが剥がれる。

接着剤で付いているので、竹串や、割り箸、爪楊枝などを加工した棒でこじて剥がす。
上下ののりしろ、左右の視野外部分は触って大丈夫。
けっこうがっちり接着されているので爪楊枝では折れてはずせなかった。
竹串か割り箸が良い。ミラー左右の隙間から差込みこじる。

 枠に残った接着剤のカスを取り除き、新しいハーフミラーを接着剤でつける。
接着剤はちょんづけでよいと思います。
奥(裏側)がミラーコート面ですよ。間違えないように。
ノンコート面をよく押さえて枠に密着させる。
そうしないと像がずれるので、またここまで分解しないとならない。
今回はヤフオクででカット済みハーフミラーを購入した。
金蒸着のもので、現代のものなでコーティングが硬く、簡単にははがれなさそう。
もともとのライカのハーフミラーは銀蒸着っぽいが、すでにほぼ透明。

面倒だが、ここで測距レンズ、接眼レンズ、視度補正レンズだけ組み付け、
1mと無限遠の2重像の重なりを確認する。
上下ズレは後で修正するとして、左右のズレはハーフミラーの浮きやズレが考えられるので
 しっかり押さえるか、ミラーを再取り付けしてみる。
私の場合は無調整で大丈夫だった。
まあそもそも調整する部分は無いので、ハーフミラーさえ枠に密着できれば無調整で良い筈。
と言うか、下手にいじって狂わせたくないので、現状でいけるようにミラーだけは
丁寧、確実に取り付ける。

これがここまで分解したパーツ類。
目的達成したら、逆の手順で組み立てる。
レンズ類はマイクロファイバーで磨き、ギアには少量のグリスか機械油を針金の先程度塗布。
軍艦カバーや手が入らない部分をクリーニングして組み戻す。

1~2時間でできると思う。
僕はグリスはいつもタミヤのモリブデングリスです。
適度な粘度と超低摩擦の優秀ケミカル。
機械油は100均のミシンオイル。 薄くてサラサラなのでなじみやすい。つけすぎ注意。

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