2018年4月20日金曜日

自家現像メモ 薬品編

フィルム現像の知識が無い方向けにド素人ながら簡単に整理させてもらいます。
先人たちのこだわりのレシピは初心者にはマニアックすぎるので、
初心者の目線で初心者向きにまとめてみました。
これからはじめてみようと思う方の参考になれば幸いです。
入手しやすく、広く使われているものから。
自分なりのまとめ。

〇黒白フィルム現像液
感光したハロゲン化銀を金属銀に変える。

富士 ミクロファイン
    • 微粒子、粉末状なので長期保管可能、安価、1L用 約300円。
  • 富士 スーパープロドール
    • 標準、迅速、増感可能、粉末状なので長期保管可能、安価、1L用 約260円
    • 微粒子現像液とは違うので粒子が荒れやすい。荒れた写真好みか増感目的向き。
  • コダック D-76
    • 微粒子、 世界標準、粉末状なので長期保管可能、富士の約2倍の価格、1L用 約600円。
    • 世界標準の強気な価格。だが支持されているので良いものなのでしょう。
    • すべてのフィルムにD-76処方時間の表示あると言っても過言ではないかも。
  • コダック T-MAXデベロッパー
    • T-MAXフィルム専用、微粒子、増感可能、液体、少量販売が無い、5L用 約2300円
その他 ローライ、アドックス、イルフォードなど各社フィルムメーカーの自社フィルム用に存在する。
増感とは、現像液の温度を上げたり現像時間を調節するなどすると
表示ISOの感度以上の像を発現させることを言います。
ちなみに、カラーフィルムを黒白現像液で処理すると黒白のネガが出来上がる。
発色させる薬剤が含まれないので黒白になってしまう。
原液で現像すると繰り返し使える(劣化するので処理時間を伸ばす必要がある)。
1:1で薄めて使用する時は使い捨てになるが、常に新液で安定した現像が得られる。希釈使用できないものもあるし、希釈使用する濃縮液タイプなどがある。
粉末か液体、もしくは両方あるものもある。
大抵が水に溶かして使う。

〇停止液
 現像液を中和させ、現像反応を止める酸性の液体。
  • 富士 酢酸
    • もっともベーシックな停止液、1Lで約800円。
    • 3%程度に薄めて使用するので簡単には使い切れない。
    • 1L作成するのに3ccしか使わないんですよ、生涯使い切れそうに無い。
    • 強烈な匂いwマジすごいwww凶器になるといっても過言ではない。
    • 振りかければ悪漢を撃退できる。顔にかかったら悶絶必至。
停止液だけは他社のを見かけない。酸性の液体ならほぼ何でも良いので、
100均のクエン酸だったり、シトリンだったり、正直何でも良い。
ポッカレモンだっていいかも。
次の工程である定着液に現像液を持ちこまない目的もある(早期劣化防止)。
なので、水洗でも問題ない。
僕はクエン酸15gを1Lに溶いて使っています。
匂いは鼻を近づけると少しツーンとする程度で、酢酸の比じゃない弱い匂い。
使い捨てても良いし、繰り返し使っても良い。捨てても金銭的にほとんど消耗しない。
正直、効果はまったくわからない。マジで水洗だけでもいい気がする。
一応、現像反応を完全に即停止させるために使用する。

〇定着液
未感光(現像液に反応しなかった)のハロゲン化銀を溶かし除去する。
すでに現像液で感光したハロゲン化銀は金属銀に置き換わっているので、
ここで現像タンクを開けて未感光部分が感光しても定着液で溶かせる。
(処理前に開ける必要は無いが)
念のため処理後に開けてみてフィルムが透明になるまで見ながら処理すればよい。
すべて透明になれば水洗しておしまい。
現像に比べたら神経使うことはない。
適当に攪拌しながら5分くらい浸す。
不足を避けるためその後数分間放置しています。
  • 富士 スーパーフジフィックス-L
    • 1L液体、約1000円、3~4L作成できる。
    • 水2と定着液1の割合で薄めて使う。
    • 1L作成でフィルム40~60本は定着できるので、なかなか使いきれない。
  •  コダック ケミカルフィクサー
    • 1ガロン用、粉末、約700円
    • 使ったこと無いのでわかりません。
    • 1ガロンって約3.7Lか。粉末だからちょっとづつ使えるかな?
    • 現像液もそうだけど、粉末は開封したら全量使えとあるので、自己責任で。


〇その他薬品
  • 水洗促進剤として 富士QWはあったほうが良い。
    • 2L用粉末がなんと!約70円。
    • 定着後の水洗が30分とかを5分に短縮できる優れもの。
    • 70円で水道代と時間の短縮が手に入るなら使うっきゃない。
    • コダックや各社あるっぽいけど、入手性から富士しか見かけない。
  • フィルムの水滴防止剤として 富士ドライウェルもあったほうが良い。
    • 乾燥時に水滴跡が付かない。
    • 使わない時はスポンジで水滴除去するのだが、傷や埃がつきやすい。
と、基本の薬品はこれらから好みやフィルムに合ったものを用意する。
当たり前だが、各フィルムメーカーは自社製フィルム用として製造しているので
フィルムと薬品はメーカーを合わせるべきなのだが、
正直、世界標準となっているので、どのフィルムもこれらの基本現像液で現像できるよう作られているので、
特に指定が無い限りどのフィルムにも使える。
フィルムと印画紙の両方に使えるものもあるので、原理は似たようなものなんでしょうね。

ド素人なりにまとめてみました。
ひとつずつ買い揃えても2000円程度で用意できます。
僕は田舎なのでキタムラで取り寄せますので送料は無し。
都市部ならビックカメラやヨドバシカメラとかに常時店舗在庫あったりします。
これらの薬品で自分で処理すればフィルム1本当たり数十円で現像できることになりますので、
是非チャレンジしてみてください。
モノクロフィルム現像は液温20度程度なので真冬以外は保温装置もなしに室温で
簡単に処理できます。

ちなみにカラーネガフィルム現像はカラー用の薬品を使えばほぼ同じ工程です。
ですが、液温が38℃だったり、液温をシビアに一定に保つ設備が必要なので
ハードルが高いですが、自家でできないことはない。
薬品は黒白用の数倍くらいの値段で高価ですが購入できます。

現像は奥が深くて、メーカー指定以外にもいろいろな方法があります。
インスタント珈琲でも現像できるようですよ。
定着液は昔はハイポで溶かすだけだったようだが、今では硬幕化作用などの
いろいろな薬品が混ぜられているようです。

フィルム、薬品、現像・・・どれをとっても均一に同じものが出来ないフィルムの世界。
デジタルにはない難しさ・・・フィルムライフ楽しみましょう。
 間違いは御指摘くださいまし。


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