2018年11月6日火曜日

バルナック ライカ 距離計 調整

バルナック ライカ 距離計 調整
です。

かなり危険な匂いがします。
無謀だとわかっています。
レンズもボディもどっちが間違っているのかわからない状況だからです。
本来なら距離とピントが合っている完璧な調整されたレンズが必要だからですが、
手元には変なロシアレンズ一本のみと言う状況が無謀だと。

だけど、撮った写真のF5.6以下、かつ2m以内の近距離がかなりピンボケ。
まあ難しい領域の撮影だとしても、ちょっとひどかった。
納得できなかったので今回やってみようかと。

このJupiter-8、F5.6以上に絞るとものすごく綺麗に写るんです。
正直、ちょっと惚れました。
ですがF5.6以下、特に開放で撮るとかなりふわふわでただでさえピンがわからないのですが、
こんかい入手したバルナックライカIIIfはどうも至近距離で大きく外れるようだ。

まずこの状況でできるだけ正確に調整する方法は、
ボディのフランジバックが正確に28.8mmなのかを確認。
SSを「T」にしてフランジから圧板までデプスゲージで計ってみる。
まあまあ、精密に測れないただのノギスだけどおおむね良さそうだ。
次はレンズを無限遠にセットして、ヘリコイドの突出量を測る。
これがライカLマウントの無限遠の規格で「7.5mm」に決まっている。
今回レンズのピントは無視することとする。
光学的に測定できないので寸法で調節することとする。
そうすれば一応ボディもレンズも標準規格になるはず。
で、レンズは無限位置でちょうど7.5mmの距離計コロを押す繰り出し量になる事がわかったので、
ヘリコイド自体は正確だと思う。

今度はこのレンズをボディにセットしてレンズの無限遠が合っているとの前提で
ボディの距離計調節ネジを回して無限遠の物と二重像を合致させる。
ファインダー右下の化粧ビスの下にあるマイナスの小さいネジをまわすのである。
これが結構固い。
反時計には軽く回るのに時計方向にはきついので微調整が難しい。
このとき、1km以上遠い物体に合わせるのが理想です。
この個体は90度ほど反時計にまわしたら二重像が合致するようになった。

おそらくボディは無限がほぼ正確になったと思われる。
距離計コロを7.5mm押したところが無限遠という規格に合ったはずなので。
ボディがさらに不正確になる可能性はあるが、規格上の「7.5mm無限遠」には
近づいたはずだ。

必然的に最短1mが合うはずなのですが、
古いレンジファインダーカメラで最短は正確性に欠けるというのが常識。
本当はぴったり合って欲しいところなので、とりあえず出来るチェックは
レンズをマイクロフォーサーズ機にアダプター経由で取り付けて
1mを計った被写体にピントを合わせておき、ヘリコイドの距離指標とのズレを見る。
このJupiterはおおよそ指標で1mと10cm程度の位置でピンが来ているようです。
ピントが狂わないようレンズをはずしライカに取り付け、
二重像のズレを確認。
ちょーっとズレてる。で、レンズの指標1mにあわせると前ピンになるようだ。
このレンズ固有の特性として覚えて使うしかない。
というか、レンジファインダーカメラで最短かつ開放で撮って合うわけがないと
思うべきところなので、
ここは最短ではF5.6まで絞って被写界深度のお世話になるしかないだろう。
レンズの指標見れば1m~4mくらいまでと、5mから20mまでの移動量が
ぜんぜん違うのだから近いものほどレンズの移動量とフォーカスがシビアだとわかる。
被写界深度に頼る使い方が正しいのだろう。

で、ここまでは機械的にフォーカスを調節したにすぎず、
実際のピントが指標と一致しているかは実際に撮影して写真を見るしか確認できない。

このJupiter-8は真ん中でレンズとヘリコイドがネジ込み構造で分離できる構造。
根元と先端をしっかり握って反時計方法にぐいっとひねると外れる。
中に1.6mmくらいと0.2mmくらいの調整シムが入っていた。
おそらくメーカーで無限遠を調整するためのシムなので
ロシア製とはいえ光学メーカーの調整品のほうが自分のような計測器もない素人
よりは断然信頼できるのでこのシムはへたに取り除かないほうが良いと考える。
だけどねー、分解跡はあるし、だいたいねじ込み構造がどれだけ不正確なものか。
すりあわせ面がネジ締め付けの力次第でずれるんだもんね。
まあ仕方ない。
そこはロシアのオールドレンズだ。
 整備されたライカ製のレンズが無いのでこれ以上検証できない。
実写してみるか。

とにかく、無限遠で2重像がぴったり来るのは精神的に良い。
それだけでも良しとしよう。

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